旧弘前市立図書館
昭和39年3月に竣工したこの建物は、斉藤主・堀江佐吉らが東奥義塾の敷地に建てて、市に寄付したものである。設計・施工は堀江佐吉で、木造洋風・ルネッサンス様式を基調とした手法に和風様式が随所に取り入れられている。外観は石積み基礎に白しっくい塗り壁、屋根はレンガ色の鉄板葺き、各階の軒下蛇腹・窓の形・屋根飾り・八角形の双塔を左右に配して柱型を強調するなど、洋風技法の水準の高さを感じさせている。
その後、昭和6年まで市立図書館として利用されていたが、図書館の移転にともなって堀江家の子孫に払い下げられ、市内富野町に移築されたものを平成2年7月に現在の位置に移築された。
一階は旧図書館の形態を復原して公開し、旧図書館の関連資料の展示を行っている。二階は郷土の出版社の出版物を展示し、郷土の文字の動向や文芸団体の活動を紹介している。